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こつぶが風邪をひいたので病院に連れて行ったのだが。
今日は月曜日の上に、週末は急に寒くなってしまったこともあり
病院は大混雑で、9時前には待合室の椅子も足りなくなった。
早めに到着していた私たちは、幸いにして座る座席があり。
こつぶは絵本を読んでは次の絵本を取りに行く、を繰り返しており。
何回目かの絵本をこつぶが取りに行った、ちょうどそのタイミングで

「こつぶちゃーん、お熱測ってください」

受付の女性が呼び。
それで、私が体温計をもらって座席を振り返ると、そこには。

絵本を手にして呆然と立ちすくむこつぶ。

それまで私たちが座っていた座席に50代半ばと20代後半の母娘が座っていた。
私が席を立ったのはほんの10秒くらいの事。
なのに、その二人は長いことその席に座っていたかのようにくつろいだ姿。
そして

絶対に目を合わせないぞっ

目の前に呆然と立っているこつぶを無視して、座席を死守していた。

仕方ないので、私は呆然と立っているこつぶの手を引き、待合室の脇に寄せ
絵本を返してくるように小声でこつぶに話し。
その後、待合室にこつぶを立たせたまま熱を測った。

まだ診察が始まる状況ではなかったので、他の患者さん達もする事がなく(かかりつけの病院の待合室にはテレビもない←私がこの病院をかかりつけにしている理由)
従って、ほとんどの人は私が遭遇した状況を見ており。
待合室中の患者さん達の多くが、その「座席横取り」の母親と娘を

じーーーーーーーっ

と見ているんだが、本人達は誰とも目を合わせないように他の方向を見ていた。

病院に来ているので、どこか体調が悪いんだと思うが。
別に

熱があってぐったりしているとか
咳き込んで大変とか

そんな様子は全くない。
とにかく、その母娘と同じように注目を浴びているので、ちょっと離れた場所に移動し
こつぶの熱を測った。

具合が悪そうにしていなくても、どこか悪いんだろうと思う事にして←私ができる最大限の譲歩(汗)

でも、つい

「なんだよ、この親子」

って目でその横取り母娘を見つめてしまう私←器が小さいんで、私(大汗)

当然、その二人も自分たちが確信犯である事を自覚している様子。
だから、周囲の視線を浴びながらも、母親も娘も天井方向を見ているのだ。

私は、座席に執着したい年齢でもあるが、理性もある。
だから、公共の場で、座席が足りない時はできる限り座席を譲るようにしている。
例えば
体の具合の悪い人(見た目で明らかに具合悪そうな人)
不安定な状態で立っている高齢者(しっかりした人に席を譲っても断れる場合が多い)
赤ちゃんを抱えたお母さん
明らかに7ヶ月以上と思える妊婦さん

だが、2歳以上の子供には席を譲らない。
子供は座っているのが苦手な子もいるし。
子供なんだから、立ってれば?と思うから。
だから、今回あの母娘が
「あの子、元気そうだから座ってなくてもいいんだよ」
と思って、こつぶの座席を横取りしたんだとしたら、それは仕方ないと思う。
それに、いくら早くから待っていたとは言え、私が具合の悪そうな人に席を譲っていれば問題なかったんだし(反省)

ただ。
明らかにその座席が空席になったとは言えない状態なのに、そこを奪い取り
周囲の視線などまるで無視して座り続ける

病院の待合室では、電車の座席取りのような行為は、絶対にしないようにしよう

心の中でしみじみ思ったのだ。
勉強になったと思おう。

でも、こつぶに
「どうしてあのおばさんは、こつぶちゃんの席とっちゃったの?こつぶちゃん、絵本読みたかったのに」
と聞かれて困ったよ。
一応
「おばさんは具合が悪いから座りたかったんだよ」
とは言ったけど。
こつぶ、明らかに具合の悪そうに見えない親子を不思議そうな顔をして見ていた。
世の中、説明し難い事も多いわね(汗)

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